誰一人として取り残されない社会を作る

南海トラフ地震や首都直下型地震など私たちの未来には確実に危機が訪れます。このような未来を回避することはできないとうい前提にたち、被災時でも平時と同じような生活を行えるようにしておく準備が重要です。しかしながら、避難生活においては食事や住環境において特別なケアが必要な人たちがいます。私たちはこのような「要配慮者」の方々も含めて全員が日常と変わらない快適な避難生活をおくれる社会の実現を目指していきます。

1.「備蓄食に関する20%問題」の解決

一般的には、地域や組織における想定避難者数の3日分の備蓄食を確保することが推奨されています。しかしながら、単純に数量を確保するだけでは、高齢者や乳幼児、アレルギー患者、宗教上の制約のある人々は満足な避難生活をおくることができません。その人数は人口の20~30%以上にものぼります。私たちこの問題を「備蓄食に関する20%問題」として問題提起し、その解決に取り組んでいます。

2. 防災備蓄のローリングストックの実現

「できるだけ長期保存可能なものを備蓄し、消費期限が近づいたら廃棄・寄付」というのが多くの防災備蓄品管理の現状です。わたしたちは、非常用に何か特別なものを備蓄するのではなく日常で使われているものを災害に利用するという「ローリングストック」の概念を公共機関や民間企業の備蓄の世界に取り入れていくことに挑戦しています。

3.「尊厳(いのち)」が尊重される避難生活の実現

避難生活において、第一に考えられていることは生命の維持です。そのため多くの備蓄食品ではカロリー摂取が注目されがちですし、避難所に確保されている物資も最低限の生活をおくるためのものになりがちです。しかしながら、避難生活で本当に重要なことは、避難者の不安感の軽減し、プライバシーなどの個々人の尊厳を確保することです。わたしたちは、「人間としての尊厳」をもうひとつの「いのち」として捉え、それを護るために避難所のQOL(Quality of Life)を高めるソリューションを提供しています。